育ててくれたヒト。
暫くして、6年1組のメンバーが全員集まった。
…いや。メンバー全員、ではない。
6年1組の生徒が、集まったと言うべきか。
読書にも熱中しつつ、そんな事を考えているとガラガラ…と小柄な女性が入ってきた。
途端に皆が席につく。
「おはようございます。今日から1年間、6年1組を担当する望永百合香と言います。宜しくお願いします。」
「先生!先生は何歳ですか?」
…毎年恒例の質問タイムだ…。
何時も同じことを聞かれ、先生も大変だなぁ…
「はーい。質問タイムは後で時間を設けるからその時にしてね。」
「なんだよ。つまんねーの。」
「年齢位よくね?」
やっぱり先生は大変だなぁ…
梨心はいつもこうだ。
全て大人目線に考える。
大人の心配をする。
同級生には結構厳しかった。
それを言ってしまうと喧嘩の元で、言わないようにしっかり見ててくれたのが真依だった。
その真依が今年は違うクラスなのだ。
まぁ、真依とクラス違くても
『大丈夫。』
今まで通りに今のクラスメートと話せばいいんだ。
望永百合香(motinaga yurika)♀
6年1組の担任。
今年初めての教師。
両親も教師で、学生時代成績優秀だった。
とても子供想いの優しい先生。