育ててくれたヒト。
職員室に来ていた梨心と舞華は、教科書の最後の束を持ち、教室へ戻ろうとしていた。
話すなら今だ!
梨心はそう思い、廊下に出た途端に口を開いた。
「柴田…舞華さん…??だったよね?」
「うん。」
「私は村田梨心。宜しくね。」
「うん。宜しく…」
「舞華ちゃんって呼んでも良いかな?」
「いいよ。梨心ちゃんって呼んでもいい?」
「もちろん!」
話しやすい子!この子友達になったら楽しいかも!
「舞華ちゃん、私と友達になってくれる?」
「うん!知ってるかもしれないけど私転入してきて話せる子がいなかったの…」
「うん。」
「だから友達、凄く欲しかったんだ!」
「私も親友とクラス離れちゃってさ…。後でちゃんと自己紹介しようね!」
梨心は話ながら足が遅くなっていることに気づき、「ちょっと急ごうか、」と足を早めた。
キーンコーンカーンコーン♪
「やばっ」
2人は廊下を急いで歩いた。
幸い、先生がまだ後ろにいたので遅れたとは思われずに授業に入ることが出来た。