一匹少女が落ちるまで
【side 大雅】
─────2日前。
──ガチャ
……!!
「…大雅、司(つかさ)知らない?」
土曜日、突然部屋のドアが開いて聞き慣れた声がそう言った。
「……」
「大雅〜!起きてるんでしょー?」
ベッドで横になる俺の背中に向かって、彼女がそう言って近づいてくる。
あー。
話したくないのに。
行かないでと思っている自分がいる。
後悔するのはもうわかってることなのに…。
「…寝てるよ」
俺は背中を向けたまま言う。