一匹少女が落ちるまで


2人がイチャイチャしてる家にいたいわけなんかなくて、軽く着替えて家を出ようとした時だった。



スマホが突然鳴り出し、画面には知らない番号が表示されていた。



「…もしもし」


なかなか鳴り止まない着信音にとうとう痺れを切らして、通話のボタンを押す。


『雨宮紫月と申しますが、赤羽大雅くんの携帯の番号で間違いないでしょうか?』


予想外のセリフに耳を疑った。


「…そうだけど……雨宮?」


『はい。お話ししたいことがあります。今、家の前にいるので、出てきてもらってよろしいですか?』



「……は、はぁ?」


俺は、慌ててカーテンを開けて、家の外を見た。


ま、まじかよ。



そこには、先週何度か話した雨宮が私服姿で立っていた。



< 112 / 487 >

この作品をシェア

pagetop