一匹少女が落ちるまで
2人がイチャイチャしてる家にいたいわけなんかなくて、軽く着替えて家を出ようとした時だった。
スマホが突然鳴り出し、画面には知らない番号が表示されていた。
「…もしもし」
なかなか鳴り止まない着信音にとうとう痺れを切らして、通話のボタンを押す。
『雨宮紫月と申しますが、赤羽大雅くんの携帯の番号で間違いないでしょうか?』
予想外のセリフに耳を疑った。
「…そうだけど……雨宮?」
『はい。お話ししたいことがあります。今、家の前にいるので、出てきてもらってよろしいですか?』
「……は、はぁ?」
俺は、慌ててカーテンを開けて、家の外を見た。
ま、まじかよ。
そこには、先週何度か話した雨宮が私服姿で立っていた。