一匹少女が落ちるまで
雨宮はしつこかった。
俺にどうしても、桜庭と勉強してほしいみたいで。
近くのカフェで、雨宮を目の前にコーヒーを一口すする。
「だから…やらないっていったじゃん」
「そのセリフはもう何度も聞きました」
「じゃあこの話は終わり」
桜庭が突然俺に勉強を教えると言ったのも意味不明だが、こうして雨宮まで勉強しろというのはもっと理解できない。
俺の吐いた言葉によって、少し俯く雨宮。
「まじなんなんだよ…」
俺はどうしていいかわからず頭を抱える。
勉強なんて。
やっても意味がない。
ずっと、ずっとずっと。
彼女のためにやってきたことだったから。
今はもう必要ないんだ。