一匹少女が落ちるまで


「今日は随分、賑やかだね」


「あ、こんにちは。風間先輩」


突然、胸元に赤のバッチをつけた男が紫月に話しかけると、紫月がそう挨拶した。



風間…。


あー、この間、紫月と話していた男だ。




普段、クラスで一人ぼっちで口を開かない紫月がこいつの前では話すのか。



「へー雨宮、モテるんだなー」


風間先輩は、俺と赤羽を交互に見ながらそう言う。


「ただのクラスメイトですよ」


紫月はビシッとそう言う。



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