一匹少女が落ちるまで
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「気になんの?あの人と雨宮の関係」
帰り道、赤羽が突然そう聞いてくる。
「なんだよそれ…別になんとも思ってないよ」
「あっそ。まぁいいけど」
赤羽は踏み込もうとしてきて踏み込まない。
そう言うところは少し紫月に似ているのかもしれない。
みんなに好かれたい見たいな感じでもないし。
「雨宮、意外と人のこと見てるよな」
「あぁ」
「あいつにはさ…嘘ついてもバレるんだよ」
「知ってる」
紫月の隣は俺の居場所で。
赤羽のものになるのはごめんだ。
紫月のことを魅力的だと感じるのは、俺だけでいいのに。