一匹少女が落ちるまで


「俺、教室にいるお前は嫌いだけどさ、雨宮と図書室にいるお前は嫌いじゃないぜ」



「……っ、」



「じゃあ」



俺はそう言って分かれ道から帰っていく赤羽の背中を見つめる。


赤羽が紫月のことを好きになったらどうしようとか。

風間先輩と紫月が両想いで近いうち付き合ったらどうしようとか。


前の自分ではあり得ないことを考えている。


俺…いつからこんなに紫月のことが好きなんだ?



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