一匹少女が落ちるまで
【side 紫月】


「…えっ…ちょっ…えっ?!はぁ?!」


帰ってきた“ 私たち ”を出迎えた園子は目を大きく見開いて、慌てた様子で何度も隣の理央と赤羽くんを見た。


「いつも使ってる図書室が使えなかったから、私の家でテスト勉強やろうってなって」



「いやいやいやいやいや…紫月、パニくるパニくる!」


園子はそう言って私の肩をグイッと捕まえると、私の耳元で話し出した。



「こんな良い男2人が来るなんて知ってたらちゃんと可愛くメイクしたし!なんで事前に連絡してくれないのよ!」


園子がバシバシと私の肩を叩く。



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