一匹少女が落ちるまで
「あぁ…連絡…」
そうか…連絡、必要だったのか…。
「そうよ!っていうかなんで男?!紫月、あんたすごいモテ期じゃん!!」
園子はいつもより増して1人で一気に喋る。
「…あの」
「あっ!はいっ!」
理央の声がして、園子が元気よく返事をする。
「あ、えっと、私、大塚 園子!一応、紫月の幼なじみしてまーす」
「へー…紫月の幼なじみ…。あ、俺、桜庭 理央って言います」
理央は相変わらず、みんなに向ける爽やかスマイルを園子に向けた。
「赤羽 大雅」
理央に続いて、赤羽くんがそう園子に自己紹介する。
「…それで…2人はなんで紫月と…?」
「園子、時間ないから先に部屋で勉強してきて良いかな?話は後ででも聞けるでしょう」
この関係を説明するのはどうしても長くなる。
「…あぁ、うん。じゃあ…ごゆっくり」
園子はそう言って渋々、リビングに手を向けた。