一匹少女が落ちるまで



「…うん、医者に止められちゃった」


力のない笑顔でそう言う。



「…まじかよ、理央!お前が辞めちまったら俺たちどうすればいいんだよ!お前がいねぇーと勝てねぇよ!」


同じ部の奴らが俺のところに集まってきて、俺の肩を掴まえる。



(そんなこと…思ってもないくせに)


俺は心の中でそう吐いて、得意の笑顔をみんなに向けた。



「大丈夫だろ!俺なんかいなくても!」



そうだ。

結局俺なんかいなくたって。


こいつらにとってはどうでもいいことで。


ただこの場の空気に合わせようとしてるだけ。


みんなそうだ。



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