一匹少女が落ちるまで
「3人は?」
「双子ちゃんたちは部屋でお昼寝中。ホッシーはまだ帰ってきてないよ」
「そっか。ありがとう」
「いえいえ〜後でゆっくり話聞かせろよ」
園子はニヤニヤしながら私の耳元でそう言った。
「意外だな…。あの子が紫月の幼なじみって」
部屋に向かう階段を上りながら、理央がそういう。
「意外?」
理央のセリフの意味がよく分からなくて聞き返す。
「…いや、紫月はああいうタイプは苦手かと」
「…タイプ?」
「派手じゃん」
確かに、理央のいうとおり園子の制服姿は制服の原型をとどめていない格好で、ピアスはしているし髪の毛だって明るい。
だけど…。
「理央が園子を見てどう思ったのか知らないけど、私の中で園子は、誰よりも思いやりがあって私にとってかけがえのない人だよ」