一匹少女が落ちるまで
「こんにちは! あめみや そらです!」
「こんにちは〜空ちゃん挨拶上手だね」
「どうも〜」
空がそう挨拶すると、理央たちも空に体を向けてから挨拶する。
理央に頭を撫でられて、空はニコニコと嬉しそうにする。
「紫月に全然似てないな〜すげぇ愛嬌がある」
「……」
そんなことを言われたのは今回が初めてじゃないから、別になんとも思わない。
私は、スッと理央から目線を晒す。
「今行くから」
私は空にそう声をかけてから勉強机の教科書たちを軽く片す。
「じゃあ俺たちはそろそろ帰るか…」
「えー?なんでー?お兄ちゃんたちまだいたらいいのに!」
「そうよ。2人も一緒にどう?空もこう言ってるし」
「え、いいのか?」
赤羽くんが驚いた顔でそういう。
「園子のことだからまたたくさん作りすぎて困ってると思うし」
私がそういうと、空がニコニコ笑って理央たちの手を掴んで、部屋を出た。