一匹少女が落ちるまで



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「紫月、すっごく愛想ないでしょ?だけど、根はとてつもなくいい子だから許してやってね〜!」


食事中、園子はまるで私の母親のように理央たちにそう言いながら、みんなのサラダを取り分ける。


「ちょっとホッシー!お客さんいるんだから携帯見るのやめなよ!紫月、あんたお姉ちゃんだから少しは注意してよ〜」


「…だってよ、星花」


「んー…」


私たちが勉強してる時に帰ってきたらしい星花は、私がそう声をかけると、だるそうに携帯の画面を隠すようにテーブルに置いた。



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