一匹少女が落ちるまで
「ソノちゃん、いつもはこんな気ぃ利かないのに…男の人がいるからって…」
「ホッシー?」
ボソボソ話す星花のことを園子が名前を呼んでキリッと睨む。
「それにしても…すげえ賑やかなんだな、紫月の家って」
「そうかな…」
「そうだよ。珍しんじゃない?今時」
不穏な空気を理央が一言で変えた。
「両親は共働きで、家に帰ることが滅多にないから、こうやって園子には色々手伝ってもらってるの」
「ソノちゃんとほしねぇーは本当はすっごく仲良しなんだよ!」
赤羽くんの隣に座る海斗がそう話す。
「はぁー?別に仲良くないし」
「嘘だね〜ホッシーツンデレだから!本当は私のこと好きでたまらないくせに!」
ニコニコと園子が自信満々に言う。
「で?どうしてあなたたちはしーねーちゃんと勉強なんか?」
星花は園子に呆れた顔をしてから、理央たちに向かってそう質問した。