一匹少女が落ちるまで
「もともと、俺が紫月の至福の時間を邪魔したのが始まりで…」
「ぁああああ!」
理央が話出してすぐ、園子が何かを思い出したのか、大きな声を出して理央を指差した。
「紫月の読書の邪魔をした理央っっ!!!」
園子の中で、私が前に話した理央の話と目の前で園子特製のロールキャベツを食べている人が同一人物だとやっと理解したみたいだ。
「あなたねー!いい?紫月はこの家の長女として毎日早く起きて遅くまで起きて家事やらなんやら頑張ってんのよ!そんなこの子に少しでもリラックスできる時間をと思って、幼なじみで親友である私がこうやって、放課後手伝いに来てるわけ!それなのにそんな唯一の時間を…!」
さっきまで、彼をみてかっこいいと騒いでいた人と同じ人とは思えない。