一匹少女が落ちるまで


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「今日は本当にありがとうっ!まじでうまかった!」



理央たちを見送るため玄関の門を出ると、理央がそう言って笑った。


この笑顔は嘘じゃない。


心から喜んでいるときの理央の顔だ。



「赤羽くんも、明日頑張って」



理央の隣の彼にもそうエールを送る。



「頑張ってって言っても…夕飯食べてからはあの子たちの遊び相手になってくれて全然はかどらなかったけど」



夕飯を終えて、勉強を再開しようとした時、あの双子たちが理央たちを離さないので、2人は渋々、双子たちの遊び相手になってくれていた。



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