一匹少女が落ちるまで
【理央 side】
「で、どうだった?1年ぶりに受けたテストは」
テスト1日目が終わって、俺たちはいつものようにメンテナンスを終えた図書室に集まる。
今日は赤羽と俺で紫月を挟むような席。
「んー、まぁ、それなりに」
頬杖をついて、クールにそう言う赤羽だが、口元が緩んでいるので、相当上出来だったんじゃないかと思う。
「雨宮は?どうだったの」
「いつも通りできました」
赤羽の質問に、紫月も冷静に答えた。
きっと、この2人は要領が良くて、少し勉強すればグンとなんでもできるタイプなんだろう。
こっちは、いつ成績が落ちてしまわないかビクビクだって言うのに…。