一匹少女が落ちるまで

【理央 side】



「で、どうだった?1年ぶりに受けたテストは」


テスト1日目が終わって、俺たちはいつものようにメンテナンスを終えた図書室に集まる。


今日は赤羽と俺で紫月を挟むような席。


「んー、まぁ、それなりに」


頬杖をついて、クールにそう言う赤羽だが、口元が緩んでいるので、相当上出来だったんじゃないかと思う。



「雨宮は?どうだったの」


「いつも通りできました」


赤羽の質問に、紫月も冷静に答えた。


きっと、この2人は要領が良くて、少し勉強すればグンとなんでもできるタイプなんだろう。


こっちは、いつ成績が落ちてしまわないかビクビクだって言うのに…。



< 141 / 487 >

この作品をシェア

pagetop