一匹少女が落ちるまで
────ん?
3人で勉強していると、横の本棚からこちらへの視線を感じて、俺は顔を上げて本棚に目を向けた。
気の…せいか?
俺は首を傾けてから、また目線をノートに向ける。
───ん?
やっぱり、なんだか見られている感じがして、もう一度同じ本棚に目を向ける。
誰もいない…。
「理央…?」
心地いい声に名前を呼ばれて、俺はその声の方を振り向く。
「…なに?」
「なにって…それは理央の方でしょ。さっきから、首を激しくあっちの方に向けたりして」
あー、紫月はすぐに気づく。
そう言うところだよ、本当。
君にまた、心臓を鳴らしちゃう原因。