一匹少女が落ちるまで



────ん?



3人で勉強していると、横の本棚からこちらへの視線を感じて、俺は顔を上げて本棚に目を向けた。



気の…せいか?


俺は首を傾けてから、また目線をノートに向ける。




───ん?



やっぱり、なんだか見られている感じがして、もう一度同じ本棚に目を向ける。


誰もいない…。



「理央…?」


心地いい声に名前を呼ばれて、俺はその声の方を振り向く。



「…なに?」


「なにって…それは理央の方でしょ。さっきから、首を激しくあっちの方に向けたりして」


あー、紫月はすぐに気づく。


そう言うところだよ、本当。


君にまた、心臓を鳴らしちゃう原因。



< 143 / 487 >

この作品をシェア

pagetop