一匹少女が落ちるまで
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「理央、お前、放課後何やってんの?」
テストを終えた次の日のお昼休み。
バスケ部の連中がそう聞いてくる。
こんなことがいつか聞かれることは分かっていたけど。
いざ、聞かれると言葉に詰まる。
「女の子と遊んでるようには見えないしな」
「はははっ」
頭の中でどう答えるか考えながら愛想笑いを振りまく。
「…家にいるよ」
「家?!ぜってー暇だろっ!」
「家で何するわけ?」
一気に質問攻めに合う。
あーどうしようどうしよう。
答えに困って、愛想笑いも限界に来た時だった。
「桜庭」
聞き慣れた低い声が俺の名前を呼んだ。
「…赤羽」
毎日見てる目の前にいる彼は、俺と連中から少し離れた席から、こちらを見ていた。
「伊達が昼飯食ったら職員室に来いって」
「…え?」
伊達?なんで伊達が…。
いや…。
なんだか少しソワソワしている赤羽に違和感を抱く。
もしかして…。