一匹少女が落ちるまで
俺はとりあえず返事をしてから、教室の外に出る。
もしかして、
もしかして、
赤羽が俺の逃げ道を作ってくれた?
いや…。
まさかな…。
でも…。
職員室に向かいながら考える。
赤羽は、俺のことが好きではないし、特に教室の俺は嫌いだと言った。
なのに、あそこで助け舟を出してくれるとは思えない…。
だけど…。
「伊達はお前のこと呼んでねーよ」
職員室のドアに手をかけようとした時。
後ろからそういう声がした。