一匹少女が落ちるまで


──────

……


あれから休み時間が終わるまで、俺は図書室のいつもの特等席で時間を潰してから、教室に向かった。



教室のドアをガラッと開けたとき。


バチッと目が合った。


でも、次の瞬間、あからさまに俺から目をそらした女。


なんだ…今の。


教室の後ろ側の席で、城ヶ崎たちのグループの輪の中にいる女。


新山 心(にいやま こころ)。
城ヶ崎のグループに属してはいるものの、大人しくて口数の少ない女子だ。

今まで、彼女とあんな風に目が合ったことなんてないけど…。


だけど、彼女があからさまに俺のことジッと見ていたのは確かだ。


一体…なんなんだろうか。


< 149 / 487 >

この作品をシェア

pagetop