一匹少女が落ちるまで



「…ちょっと雨宮さん!昨日掃除頼んだのにやってないでしょ?…もうゴミ箱溢れてるんだけど!」


突然教室に響いた耳がキンと痛くなる女子の声。


あ…またか。


怒鳴る声の主は、クラストップの美貌を誇る、城ヶ崎 玲奈(じょうがさき れいな)。


みんなの俺への視線は一気にある女子に向けられた。


女子グループのトップに怒鳴られている席に座ってる1人の女子。


怒鳴られているのに、顔色ひとつ変えず目線を教科書から離さない。


雨宮 紫月(アメミヤ シヅキ)

お世辞でも可愛いと言う言葉が似合わないメガネ女子。
いつも無表情で、人に話しかけられると睨みつけるような顔をする…らしい。


話したことないから知らないけど。


普段は単独行動の彼女だが、よくグループの上位にいる女子たちに雑用を押し付けられたりしている。


世間ではこれをいじめられてるというのか知らないが。


まぁ、彼女の場合少し変わっていて。


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