一匹少女が落ちるまで
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「にしても、お前ら本当にちょっと憎い」
放課後、私の特等席には、安定して2人ほど人が増えている。
理央が不満そうに机に腕と顔を置いてから話す。
「なんで、基本本ばかり読んでる紫月と学校に来なかった赤羽が、1位と2位で、一生懸命赤羽に勉強教えていた俺が4位なの!」
「怒っても仕方ないじゃないですか」
「だな。5位以内には入れてよかったじゃん」
私と赤羽くんが励ましても、理央は変わらずブツブツと不満を呟く。
「せめて、3位が良かった」
「まぁ、人に教えながらだと、自分のしなきゃいけない範囲まで手が回らなかったりしますし、今回のことはそれほど落ち込まなくていいんじゃないですか?」
私がそう声をかけると、理央は私から目をそらして、耳を赤くした。