一匹少女が落ちるまで
「…紫月ってさ…励ますのうまいよね。俺、すぐ調子乗るから本当、ほどほどにしてくれていいよ」
「…理央…?」
理央は私が名前を呼ぶと、キャレルデスクに置いた顔を腕で隠しながらそう言った。
理央が…変だ。
「…理央、体調悪いの?」
理央の肩に触れて、そう聞くと、彼の体が少しビクッとした。
勉強しすぎて…疲れたのだろうか。
「雨宮、あんまりいじめんなって」
「…え?いじめてなんか…」
赤羽くんに声をかけられて、私がそう反論すると、赤羽くんがクククッと肩を揺らして
「本当、お前らおもしれーな」
そう笑った。