一匹少女が落ちるまで
───────
「はぁーーー?!修学旅行に行かない?!」
園子がそう叫ぶと、彼女がお箸でつかんでいたジャガイモが、コロンとテーブルに落ちた。
「そんなに驚くことかな…」
「驚くに決まってんじゃん!ね!ホッシー!」
「うん。修学旅行に行かないなんて、いくら友達のいないしーねーちゃんだからって…」
「おい、妹氏。友達いないは余計だ。っていうか、なに?もしかしてそれが行きたくない原因?」
体を前のめりに、テーブルに手をつけて話す園子に圧倒されながら、私はゆっくり話す。
「まぁ…一緒に班行動する人がいないっていうのも事実だけど。修学旅行は3泊4日だし、私がいなかったらこの家だって…」
家を理由にするのは間違っていることぐらい分かっていた。
でも、たくさんの原因で行かない口実ができた方が都合がいい。