一匹少女が落ちるまで


───────


「はぁーーー?!修学旅行に行かない?!」


園子がそう叫ぶと、彼女がお箸でつかんでいたジャガイモが、コロンとテーブルに落ちた。


「そんなに驚くことかな…」


「驚くに決まってんじゃん!ね!ホッシー!」


「うん。修学旅行に行かないなんて、いくら友達のいないしーねーちゃんだからって…」


「おい、妹氏。友達いないは余計だ。っていうか、なに?もしかしてそれが行きたくない原因?」



体を前のめりに、テーブルに手をつけて話す園子に圧倒されながら、私はゆっくり話す。



「まぁ…一緒に班行動する人がいないっていうのも事実だけど。修学旅行は3泊4日だし、私がいなかったらこの家だって…」



家を理由にするのは間違っていることぐらい分かっていた。

でも、たくさんの原因で行かない口実ができた方が都合がいい。



< 153 / 487 >

この作品をシェア

pagetop