一匹少女が落ちるまで



部活を辞めて数日経ったある日の放課後。


部室に忘れ物があったことを思い出して、俺は部室に向かった。



「…調子乗ってるよな」


「女子たちがキャーキャー騒ぐから合わせてるけどさ」



話し声が聞こえて、思わず部室のドアの前で、足を止める。


心臓がバクバクしだし、手からは汗が吹き出て、俺はそんな手を握る。



…これって…。




「…ぶっちゃけさぁ。


いなくなって清々したわ、理央」



その声でズキンと胸が痛む。



その声はあろうことか、中学から一緒にバスケを続けてきた山岡だった。



山岡…?


なんで…。


< 19 / 487 >

この作品をシェア

pagetop