一匹少女が落ちるまで
部活を辞めて数日経ったある日の放課後。
部室に忘れ物があったことを思い出して、俺は部室に向かった。
「…調子乗ってるよな」
「女子たちがキャーキャー騒ぐから合わせてるけどさ」
話し声が聞こえて、思わず部室のドアの前で、足を止める。
心臓がバクバクしだし、手からは汗が吹き出て、俺はそんな手を握る。
…これって…。
「…ぶっちゃけさぁ。
いなくなって清々したわ、理央」
その声でズキンと胸が痛む。
その声はあろうことか、中学から一緒にバスケを続けてきた山岡だった。
山岡…?
なんで…。