一匹少女が落ちるまで
どんなに愛想よく振舞っていても。
何を頑張っても。
結局誰かに嫌われる。
それが世の中なのは十分理解してたつもりだっけど。
山岡のあのセリフは痛かった。
試合のたんびに交わしたハイタッチも。
部活終わりのラーメンも。
その瞬間ちょっとでも楽しいって思ってたのは自分だけで。
悲しすぎて笑える。
「…あ」
学校を出ようとした時、ふと校舎の窓から廊下を歩く雨宮が見えた。
何してんだろ。
部活を辞めてから、近くのファミレスやゲーセンで時間を潰して今は結構金がない。
学校の外で興味のない女子たちと過ごすのもごめんだ。
もう行く当てなんてないし…。
そして、俺は何を思ったのか。
雨宮を追いかけるように、校舎に入ったんだ。