一匹少女が落ちるまで
「せっかく来たのにまじ、もったいねー」
「あんなものに乗る時間の方がもったいねーし。早く行けよ」
「本当に?」
「あぁ」
「じゃあ、俺たち行ってくるから」
「おう。泣いても知らねーぞ」
「泣かねーよ」
理央はそう言って笑うと、私たちに「行こ」と声をかけた。
そして、赤羽くん以外の私たち3人はジェットコースターの列に並んだ。
それにしても、赤羽くんが絶叫系が苦手なんて意外だ。
なんでもサラッとやってのける人なのかとばっかり。
テストだって、一年近くよく学校を休んでいたのにあんな風に2位を取っちゃったりすんだから。
でも…。
なんだか安心した。
赤羽くんにも苦手なものがあったんだな。