一匹少女が落ちるまで
ただの暇つぶし。
ちょっとムシャクシャしていたから。
そんな言葉で片付けようとしていた。
自分より嫌われている人間を見て『俺はこいつよりマシだ』なんて思いたかったんだろう。
だから、あえて。
クラスから嫌われている雨宮に近づいた。
いや…それは違う気がする。
ただ、自分に素直に生きてる雨宮が羨ましく見えたから?
自分の気持ちがよくわからないまま、それでも体は雨宮を探すのに必死になっていて。
「…あっ」
そして、1番後ろにあるキャレルデスクで本を読む黒髪ロングヘアの彼女を見つけた。