一匹少女が落ちるまで
「すっごく怖かったねー!!でも楽しかった♪」
「ここのお化け屋敷、結構有名だからね。新山さん、こう言うの苦手なのかと思ったら結構強いんだね!意外」
お化け屋敷を出て、まるで山岡のあのセリフを忘れるかのように俺は新山に合わせて話をする。
本当にお化け屋敷はなかなかよく出来ていて面白かったし、そのおかげで山岡のあの発言をほんの少し忘れることができていた。
「意外…かな?」
「意外だよ。なんか、新山さんって、すごく女の子って感じだから。男子たちでも狙ってるやつら多いよ?」
「…え、またまた〜ご冗談を」
そう言って恥ずかしがる新山。
まじで、これは好きになる人多いだろうな。
「あ、雨宮さーん!赤羽くーん!」
さっきの待ち合わせ場所のテーブルデッキにもう座っていた2人に大きく手を振って駆け寄りに行った新山。
2人の距離が縮まったことは、本当に嬉しい。
紫月はどう思ってるんだろうか。
紫月は赤羽と何を話したんだろうか。
一日、少し話してないだけでこんなにも相変わらず彼女でいっぱいだ。
…紫月と、話したい。