一匹少女が落ちるまで
ベッドの向かいにあるテーブルに、2人で椅子に座りながらお菓子を広げる。
「ふふふっ。私ね、こう言うのずっと夢だったんだ〜、なんか友達の家でお泊まりしてるみたいじゃない?」
「うん」
「雨宮さんは友達のうちでお泊まりとかしたことあるー?」
「…んー…幼馴染みがよく泊まりにきます。まぁ、家族みたいなもんなので…」
「え?!雨宮さん、幼馴染みいるの?!えっ!男の子?!」
突然興奮して、スティック型のお菓子を手から離してしまう新山さん。
「えっと、男の子じゃなくて女の子です」
「へっ!あ、そっか…びっくりした〜。雨宮さんの幼馴染みか〜どんな子なの?」
「…どんな子…えっと、髪の毛は茶色く染めていて…風蘭に通っています」
「風蘭っ?!フウランって、あの風蘭?!」
「はい。すごくまぁ、ギャルっぽいと言うのが1番しっくりくるのかと…」
「うっそ〜…雨宮さんの幼馴染みが…風蘭の生徒…」
「…でも、すごく素敵な子です」
私がそう言うと、向かいに座る新山さんはとても嬉しそうに笑った。
「うんっ!きっと絶対そうなんだろうなって思うよ」