一匹少女が落ちるまで
新山さんは、私が思ってたよりもずっといい子で。
園子の話をして、褒められたら嬉しいに決まってるから。
そんな風に言ってくれる新山さんのことも、大切にしたいと思った。
「あ、あのね、雨宮さん」
口に運ぼうとしていたお菓子を置いて、膝に手を置いてから、なんだか改まって話だそうとする新山さんに首をかしげる。
「…今日はその…お願いがあって…。雨宮さんにはもうたくさんお世話になって、またお願いごとなんておこがましいんだけど…」
「いえ。なんですか?」
「…えっと…」
そう口ごもりながら、だんだんと新山さんの頬が赤く染まっていく気がした。
なんだか。
すごく。
嫌な予感がした。