一匹少女が落ちるまで
「本当?!よかった〜…!雨宮さんも桜庭くんのこと、好きだったらどうしよって…2人、最近ずっと一緒だし…」
「一緒って言ったって、理央が勝手に邪魔してきただけですから」
どうして。
「…でも、桜庭くんは、雨宮さんのこと…」
「理央もなんとも思ってないと思いますよ。私が理央のこと好きでも嫌いでもないから、彼は私といるって言っていたので」
どうして。
話すたんびに。
自分を追い込んでいく。
まるで。
今日、理央と過ごしたあの時間をなかったものにするみたいに。
「私も理央もお互いのことは0なので」
私がそう言うと、新山さんはホッとしたように優しく笑った。