一匹少女が落ちるまで


「本当?!よかった〜…!雨宮さんも桜庭くんのこと、好きだったらどうしよって…2人、最近ずっと一緒だし…」


「一緒って言ったって、理央が勝手に邪魔してきただけですから」


どうして。



「…でも、桜庭くんは、雨宮さんのこと…」



「理央もなんとも思ってないと思いますよ。私が理央のこと好きでも嫌いでもないから、彼は私といるって言っていたので」


どうして。


話すたんびに。


自分を追い込んでいく。


まるで。


今日、理央と過ごしたあの時間をなかったものにするみたいに。



「私も理央もお互いのことは0なので」



私がそう言うと、新山さんはホッとしたように優しく笑った。




< 243 / 487 >

この作品をシェア

pagetop