一匹少女が落ちるまで


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そして、やってきた修学旅行最終日。



朝からずっと、新山さんと理央のことが気になっていたけど、なんとも思っていないふりをした。



前に理央に

『嘘をつくくらいなら、死んだ方がマシだと思う』


なんて言ったことがあったけど。


もう私にそんなこと言う資格なんてなくなってしまった。



どうしちゃったんだろう。


私。



「紫月は、やっぱり園子ちゃんにもお土産買うの?」


理央がそう話しかけてきたけど、なんだか目が合わせられない。



昨日、唇を重ねた。


昨日、新山さんが理央を好きだと聞いた。


色々重なって、思うように口が開かない。



「うん。一応」


やっとでた声はそれだけ。




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