一匹少女が落ちるまで


「園子ちゃんって雨宮さんの幼馴染み?」


「は、はい」


「紫月とはホント正反対な子なんだよ。髪の色とか特に」


理央がそう言って新山さんに話す。


「桜庭くんは園子ちゃんに会ったことあるの?」


「まぁね。赤羽と2人で紫月んちでテスト勉強したことがあったんだ。その時に」


「そっか〜!」


「今度、新山さんもうちに来るといいです。園子もきっと、私に女友達が出来たなんて知ったら喜ぶと思うから」



新山さんのことは好きなのに。


園子以外できた初めての友達を大切にしたいのに。


いま口に出した言葉は確実に心から思っているのに。


私の中の違う感情が、また胸をザワつかせる。



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