一匹少女が落ちるまで
「…ア、エット、アカバネクン」
大切な友達に頼まれたこと。
私はちゃんと「わかった」と返事をしたんだから。
やり遂げなければならない。
3人が歩き出した時、私は赤羽くんの制服の袖を捕まえてそう声をかける。
「ん?」
「ワタシ、アッチミタイノデツキアッテクダサイ」
「はぁ?」
理央と新山さんは私と赤羽くんの会話に気づいていない。
赤羽くんは何を言っているんだという目でこっちをみてる。
「キテ」
私はそう俯いていうと、赤羽くんの腕を捕まえて、理央と新山さんが歩く方向とは逆を歩き出した。