一匹少女が落ちるまで

「理央は…前から他の子たちと仲良くしてますよ。人気者だから常に誰かに…」


「言い方変える」


赤羽くんはそう言って、私の声を遮った。


「自分の大切で信頼してる友達とあいつが2人きりになるの、嫌じゃねーの？」


「………」



嫌じゃない。

そう言ってしまうのは、また嘘をつくことになる。


この感情がなんなのかわからない。


新山さんが大事だし、理央と仲良くなったら嬉しいと思っている。それは本当だ。


だけど…。


私以上、理央のことを知らないでほしいとも思っている。


「初めてで…園子以外の友達が出来たことも、嬉しいのに嬉しくないって気持ちになるのも。全部が初めてで混乱してます」



今の気持ちを、赤羽くんには正直に伝えられた。