一匹少女が落ちるまで
「桜庭くんって、雨宮さんのことどう思ってるの?」
帰り道、新山が突然そんなことを聞いて来るので、焦る。
「…どうって、何?」
「好きだから一緒にいるのかなーって。女の子として」
女の勘というやつなのか?
それとも俺がわかりやすいだけ?
「紫月の隣は落ち着くから、だから一緒にいた。飾らなくていい」
「そっか…」
そう言って、また俯く新山。
「新山さんは、紫月といてどう?」
「…うん。楽しいし、すごくいい子なんだってたくさん気づけた。だけど…」
「だけど?」
「まだ、雨宮さんと本当の友達にはなれていない気がするかな」
新山はそう言って切なそうに笑った。