一匹少女が落ちるまで
【side 紫月】


「んー!やっぱり本場のカステラは違うよね〜うま〜!!」


家に帰ると、いつものように園子がやってきていて、私は彼女に修学旅行で買ったカステラを出してあげた。



「ソノちゃん、それいうの何回目。しーねーちゃんが修学旅行から帰ってきてからずーっとうちでカステラ食べてるよね!お土産ちゃんとしーねーちゃんからもらったでしょー?」



星花が不服そうに眉間にしわを寄せてそういう。


「いいじゃーん。1人くらい食べる人が増えたって、変わんないでしょ。こんなに人数いたら。あぁ美味しい〜!とろける〜!」



「全く。一応、人の家なんですけどー」


「あーもー!口うるさいなー!紫月が修学旅行の間、ご飯準備してた園子お姉ちゃんにちょっとご褒美くれてやろうとか思わないわけ?」


「別に頼んでませんーー!」



2人の安定した言い合いが続く。



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