一匹少女が落ちるまで

「星花、園子のおかげで助かったでしょ？」


「別に…」


星花は小さくそう言いながら、私の隣でまた静かに座り出す。



「で、紫月、最近図書室行ってないの？ここ一週間帰り早いよね」



「……」


答えに困る質問。


どうしていいかわからない感情。



「……」


なんて言おうか、考える。


理央を避けているなんて言えない。


修学旅行の最終日、新山さんと理央を2人きりにしようとしたことが、だんだんと私が理央を避けることに変わってきている。



今、理央と話すことになれば、前のように上手く話せないだろう。



「あのね…園子」


「うん。ホッシー、双子ちゃんたちのことよろしくね。紫月と大事な話しして来るから」


っ？！


「えーー」



園子は私の話をきて、突然、星花にそういうと、星花の声を無視して、私を二階に行くように促した。