一匹少女が落ちるまで


─────ガチャ


「園子?」


部屋のドアがしっかりとしまったのを確認した園子にそう声をかける。



「ホッシーたちにはあんまり聞かれたくない話なんでしょ?」


ドヤ顔で腰に手を置く園子。


「え?」


「顔見てなんとなくわかった」



「園子」


「修学旅行でなんかあった?」


ローテーブルの方に腰を下ろしながら園子が優しくそう聞く。


「うん」


園子になら正直に話せる。


上手に言葉にならないかもしれない。


だけど、


どうしたらいいのか教えて欲しい。



「あのね、友達ができたの。新山さんって言ってね、すごく優しい子」


「うん」


「でも、新山さんが理央と話しているところを見ると、なんか変な気持ちになって」


「うん」


話す私を、じっと見て頷いてくれる園子。


「よくわかないんだけど…なんか理央が前とは違う感じがして…うまく顔を見て話せなくなってて…修学旅行から帰ってきてまだ一度も話してないの。これってなんなのかな?どうすれば前みたいに話せるようになる?」



「────フフッ」


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