一匹少女が落ちるまで


「危ないじゃん。こんな時間に1人でいたら」


「あ…どうも」


どうもって……。

やっぱり姉妹なのか、どこか似てるな。


「送るけど」


「え、いや、大丈夫です」


「いや、俺が無理だし。置いていくとか」


俺はそう言いながら、隣のブランコへと腰を下ろした。



雨宮妹はびっくりした顔をしたけど、すぐに遠くを見て黙っていた。


家に、帰りたくねーのか?


雨宮のうちに行った時、みんなすごく楽しそうに見えて仲よさそうに見えたけど…。



実際は嫌だったりするのか?


中2って言ったらやっぱり反抗期とか…。



「赤羽大雅くんはこんな時間に…」


「俺はバイト。大雅でいいよ。」


名前を覚えててくれたことに若干嬉しくなってそういう。


「あ、はあ…お、大雅くん…」



「うん。…で?なんで帰らないわけ?」




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