一匹少女が落ちるまで
「ガキの話はつまんないですよね…ごめんなさい。こんな話しして。しーねーちゃんとかソノちゃんには絶対言えない話しだから」
「つまんないと思わないよ。すげーわかるし。星花の気持ち」
どうして名前を呼んだのかわからない。
その時はちょうど、夜空に星がちらほら見えていたからだろうか。
気付いたら、頬を少し赤くした彼女がこちらを見ていて、すぐにバッと顔を晒した。
「わかるわけないですよ。大雅くんみたいにすぐに女の子のこと下の名前で呼んじゃうような人に」
「はぁ?誰でも呼ぶわけじゃねーし。俺の中で雨宮はねーちゃんの方だから。だから妹は下の名前で呼ぶしかない」
「ふーん」
疑ってるみたいな目をした彼女だけど、その目にはさっきの落ち込んでる様子は少し消えてきた。