一匹少女が落ちるまで
俺は都合のいいように物事を考える癖が全然治らない。
気をつけてるつもりで『最悪な状況』を考えるようにしてるけど、気が緩むとすぐに心のどっかにやっぱり『浮かれ』がある。
自分が思ってる以上に誰かに気遣われたくて、でも裏切られるのが怖いから、心の中で常に『最悪な状況』を予想するのに、大抵それを超える悪いことばかりで。
今日のバスケ部の奴らの会話がそうだった。
誰からも必要されていなくて、それ以前に嫌われていた。
『お前は、もともと持って生まれたものだからいいよな』
俺の努力を、周りの奴らはそう評価して、いとも簡単に壊していく。