一匹少女が落ちるまで


………………



「──── 、だからね、その生徒会の先輩さんのおかげで、城ヶ崎さんたちすごく警戒してたから、雨宮さんへの嫌がらせも減ると思うの!それで…その先輩、雨宮さんの知り合い?」



フライドポテトを指で持ったまま、いつものように一度にたくさん話す新山さん。


そんな一生懸命に話す姿はすごく愛らしい。


「…うん。風間先輩っていって、前は図書室で会うことが多くて、少しだけ話したりしていたの」



「へーそうなんだ〜!その風間先輩っていう人、雨宮さんのことかばったってことは雨宮さんのこと恋愛対象として好きだったりしてっ」



先輩が…私のことを?



そんなこと…。


あるわけないと思いたいけど…。


『雨宮が桜庭を見てるように、俺も雨宮を見ているから』


それってつまりは…。



「友達ですから。ただの」


そうだったらいい。

ただの願望を口にだす。



「え〜それって雨宮さんがそう思ってるだけじゃないのかな?」



そんなことを言われても…。


今は頭が回らない。



「…私はそういう気持ちはないので」


私はそう言ってオレンジジュースを吸った。



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