一匹少女が落ちるまで
「…なんでって…たくさんといた方が楽しいじゃん」
俺は平然を装ってそう答える。
違う。楽しくなんかない。
集団生活とはそう言うことだから。
空気をいかに読んで、みんなと過ごすか。
それが生きていく上で大事なんだよ。
「ふーん」
ふーんて。
クラスの底辺の分際でなんなんだよ。
「…理央がそれがいいと思うように、私は1人がいいと思ってるだけだから。ただそれだけ」
なんだか、紫月がすごく強いやつに見えて。
正直少し羨ましかった。
1人がいいなんて。
どうして言えるんだ。