一匹少女が落ちるまで
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「あ、雨宮さんっ!」
待ち合わせ場所は、私たちの高校の門の前。
私が門に向かっていると、もう先についていた新山さんがこちらに手を振っていた。
小柄な体によく似合う可愛らしい私服の新山さんは、家庭の経済的なことで不安を抱えている人には見えない。
「私ね、休みの日に外に出るのあんまり好きじゃないんだ。服あんまり持ってないから」
私の耳に口元を近づけた新山さんは、明るい声でそう言った。
「それなら…私も同じですよ。おしゃれとかに興味がないし、休みの日もできれば制服で行動したい派です。実際にはしませんが…」
私がそういうと、新山さんは「わかるわかるっ!」と楽しそうに笑いながら頷いた。