一匹少女が落ちるまで
────────
「ここ!ここがね、私の通ってた中学校」
電車に乗り込んで、降りて少し歩いてからついたそこには
休みの日でも元気に活動する運動部の活気ある声が響いている、中学校。
「中学の頃から、正しいと思って行動しても嫌な方向に進んじゃったり、もちろん今みたいに裕福な家庭じゃなかったから自分の周りの環境全部を呪ってた」
新山さんの口から「呪ってた」なんて言葉が出てきて驚いたけど、でも、なんだかその感じは、初めて平和学習で話したい頃のような懐かしい感じがした。
「もう少しお金があったら、もう少し可愛かったら、もう少し周りの人たちがいい人ばかりだったら、私だってこんなひねくれた人間にはならなかったのにって」
「新山さんは、ひねくれてなんか…」