一匹少女が落ちるまで
「新山さん、頭上げて」
私がそう言うと、彼女はゆっくりと濡れた顔をこちらに向けた。
「そんなに泣かないで。新山さんと2回も友達になれて、嬉しい。改めてよろしくお願いします」
「雨宮さんっ」
「友達になってくれて、ありがとうっ」
「うぅー」
私が笑いかけると、目にまた涙をためた新山さんを見ていると、なんだか目頭が熱くなって。
ねぇ、園子。
園子がそばにいなくても、
私、1人で大事な人が作れたよ。